Aβ1-42(ベータアミロイド1-42)は、アルツハイマー病(AD)の病態に深く関わる重要なペプチドです。以下にAβ1-42の特徴と役割について詳しく解説します。
構造と生成
Aβ1-42は42個のアミノ酸からなる疎水性ペプチドで、アミロイド前駆体タンパク質(APP)から生成されます[1][2]。APPは以下の2段階で切断されます:
- βセクレターゼによるAPPの切断
- γセクレターゼによる切断片(CTF)の分解
この過程でAβ1-42が生成されます[1][2]。
特性と病態への関与
Aβ1-42は以下の特徴を持ちます:
- 強い不溶性と凝集性を示す[1][2]
- 脳組織に蓄積しやすい[1][2]
- アミロイド斑の主要構成要素となる[5]
ADの病態において、Aβ1-42は以下のように関与します:
- 脳内でのアミロイド斑形成の核となる可能性がある[1][2]
- 過剰産生されると脳組織に蓄積し、神経細胞死を引き起こす可能性がある[4]
診断マーカーとしての役割
Aβ1-42は、ADの診断や進行モニタリングに有用なバイオマーカーとして注目されています:
- 脳脊髄液(CSF)中のAβ1-42濃度はADで低下する[3]
- CSF中のAβ1-42/Aβ1-40比はアミロイドPET検査結果と強い相関を示す[3]
研究と治療への応用
Aβ1-42は、AD研究や治療法開発において重要な標的となっています:
- Aβ1-42の凝集メカニズムの解明
- Aβ1-42の産生を抑制する薬剤の開発
- Aβ1-42の凝集や蓄積を防ぐ治療法の探索
これらの研究を通じて、ADの早期診断や効果的な治療法の開発が期待されています。
引用:
[1] https://data.medience.co.jp/guide/guide-06020041.html
[2] https://data.medience.co.jp/guide/guide-06020039.html
[3] https://test-directory.srl.info/akiruno/test/detail/00E140400
[4] https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/124/3/124_3_135/_pdf
[5] https://www.funakoshi.co.jp/contents/3538
[6] https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/ivdDetail/ResultDataSetPDF/480585_30400EZX00104000_A_03_01
[7] https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2015-05-18-1
[8] https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2010/103091/201026004A/201026004A0001.pdf
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